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2008年6月18日 「純白の青いケシに魅せられて」  文・イラスト 須田靖子

 青いケシに魅せられた私は、今年もぜひ青いケシツアーに参加したいと心から願っていました。ところが、希望していた中国が四川省の大地震のため、今年は無理とあきらめていました。しかし、5月中ごろに、ブータンの純白の青いケシのツアーが舞い込んできたのです。家族の心配をよそに、申込みをして用意を始めたのですが、標高 4,000メートルでのテント生活は、本の知識だけで実際に体験したことがありません。でも6月18日、まずはバンコクに向けて成田を出発しました。

 私たちの目指す地域は、ヒマラヤの南側、ブータンの首都ティンプーに近いパロという町から始まりました。谷間の小さな町から車でいくつかの高い峠を越えます。チェレイ・ラ(3,950メートル)で紫のアヤメの群落や、淡い黄色のサクラソウの群落に出会いました。白い野バラや、ピンクのカラフトイバラに似た花を見ると、つい高いところにいることを忘れてしまいます。濃い紫のケシが2種類、霧雨の中でゆれていて、白いサクラソウもシャクナゲに寄り添うように可憐な姿を見せ、雨が降っていなければもう少しこの辺を散策したいと思いました。峠を越えると、静かな山々と川のあるハという村に入ります。

 翌日は、ハからトレッキング開始。最初のテント地ツォカムを目指して歩き始めます。馬十数頭に荷物を積んで、ポーターさんに個人のカメラなどを持ってもらって、急な山路を登ります。午後から降り始めた小雨の中を懸命に歩きます。ときどき休みながら、左右に目をキョロキョロさせて花を探しますが、よそ見をしながら歩くと石につまづいたり、馬や牛の落とし物を踏みつけたり、すべったり…。赤、橙、黄のトウダイグサの花にうっとりし、ピンクや橙のシャクナゲに見入ったりしながら、ようやく第1テント場に到着。そこは大きな松に囲まれた、アヤメやサクラソウの咲く広場でした。ひとあし先に着いた馬たちは、放牧された牛たちと仲良く食事中。私たちの食堂テントにはテーブルや椅子がセットされ、料理人たちの心づくしの夕食は、スープから始まってデザートにコーヒーや紅茶まで! テント生活とは思えない食事です。

 翌日は朝7時30分、ヤクナの第2テント場に向けて出発です。森林限界を抜けると足もとも楽になり、視界も開けて気分も爽快です。植物たちも皆、小ぶりだけれど色がとても美しく、かわいくて、つい歩みも止まります。ツツジのような小さなシャクナゲが形よく、手入れの行き届いた広大な公園のようです。

 メコノプシス・スペルバは谷間の水の流れがあるような所が好きらしいので、谷間にさしかかるとゆっくりと、しっかりと見渡します。あった!! 岩場の広がる広い谷間に、シルバーがかった淡い黄緑の葉に白い大きな花が数個つき、高さは1メートル以上あるでしょうか。何本も咲いているのが見えます。メコノプシス・スペルバ^_地元の人以外では、世界で3番目か4番目にこの花に会えたのは私たち? 大感激でさっそくカメラに収めます。120センチくらいの高さの花の直径は8.5センチ。雌しべの先の幅が1センチもあります。花びらは4枚が多く、中には5枚や6枚の者もあります。この谷は山火事で焼けたのでしょうか、黒く焼けこげた低木が多く残っています。そのあいだで花たちは元気です。

 初めて出会った白いケシが素晴らしくて、うきうきしながら第2テント場へ。周りを小さなシャクナゲに囲まれた 4,000メートル地点に2泊します。夜、星空が短い時間だけど美しく見え、星座や人工衛星の話をたき火を囲んで同行の先輩から教えていただく。明日はきっと晴でしょう。

 朝はゆっくり8時出発。今日もメコノプシス・スペルバに会いに奥の谷に向かいます。丘を三つ越えて、谷間の壁面の中ほどに、美しいスペルバが立っています。トップの花が終わって次の大輪が開花したばかりです。足もとに気をつけながら、岩場を移動してスペルバの姿をカメラに収めます。スペルバとの記念撮影も忘れません。みな、意気揚々とランチを食べに帰る途中で、シャクナゲの咲く谷間に黄色いメコノプシスを見つけました。でも腹ぺこで谷間を下るのは大変なので、まずは腹ごしらえをしてからのお楽しみに…。

 小さな流れに沿って、メコノプシス・パニクラータが美しく咲いています。高さ 1.3メートルくらいで、トップの花が開花して、2段目も開いたばかりです。とてもよいチャンスでした。太陽の光もほどほどに、水の流れがキラキラとして、パニクラータの黄色がしたたり落ちたかと思われるような可憐なサクラソウが一面に咲いて、夢のような風景でした。

 旅の後半は快晴で、足取りも軽く下山して、お世話になったポーターさんや馬たちに別れを告げてパロに向かいます。途中、チェレイ・ラの峠で小休止しながら花を探します。ハクサンチドリを小さくしたようなランが咲いている傾斜地に、アツモリソウや小さなユリの花が咲いていて、ブータンではほとんど知られていないアツモリソウだとか…

 パロのホテルで1泊し、翌日バンコクで1泊して、無事成田に到着。歩いているときは「あー、大変なツアーに参加したナ」と思っていたのに、来年のメコノプシスのツアーはどこに行こうかと、もう思案中です。心の中では、ピンクのケシにも会いたいと思っているのですが…


2008年3月4日発 「ハワイ スミレ探検隊に参加して」  文・イラスト 柴田紀子 

「木に咲くスミレ…」 えーっ! そんなのってあるの? ウラジオストックのスミレツアーの帰りの空港で田金秀一郎さんに話をうかがい、ぜひ見たくなり、今、それが現実となった。
 木に咲くスミレは太平洋に浮かぶハワイ諸島の一つ‐カウアイ島にあるという。ハワイ諸島は火山の噴火でできた島々、一度も大陸とは接しておらず、植物は風、海流、鳥に余って運ばれ、環境に適応した種類が定着し、進化して、多くの固有植物を誕生させた。その後、人間が島々に多くの動植物を持ち込み、生存競争に勝てない固有種は絶滅の危機に瀕している。
ハワイ諸島は温暖な気候で、一年中花が咲き、種ができ、枯れる休眠期がない。木に咲くスミレは木本化の進化を辿ったが、外来植物の侵入で植生範囲を狭め、絶滅しそうな状態にある。

「ハワイ スミレ探検隊」出発の当日、犬の散歩で左足をひねってしまった。たいしたことはないと思って出かけたが、成田に着くころに一気に痛み出した。憧れのスミレに会いたいが、骨折ならホテルで4日間、ぼんやりと海を眺めて過ごすか、旅行をやめるか…。しかし、荷物は行ってしまうし、出国手続きは終了してしまい、お借りしたストックを頼りに機内へ。ホノルルからカウアイ島への乗り換えのころは痛みも薄れてきたが、その日のハイキングは30分でリタイヤとなった。行程が厳しい2日目と、3・4日目のスケジュールを交換していただき、痛みが取れた足で全行程を歩くことができました。

カウアイ島に着いた3月4日のお昼は、島でいちばんおいしいサンドウィッチとチャウダー。午後は世界でいちばん雨の多いカイアレアレ山の尾根続きでハイキングだったが、私は30分でリタイヤし、車で休む。目つきの悪い犬が近寄ってきたが、しっぽを振っているので、なでてやるとすごく喜んでいた。
 5日はスケジュールを変更して、島を左まわりにワイメア渓谷からコケエ方面へ。途中でヤシやグァバ、ノニなどの野生のフルーツをいろいろと味わわせてもらう。夕方近く、イリアウループ・トレイルに入り、念願の木本スミレ V.chamissoniana (パスカニ・オロプ)にやっと出会う。絶滅危惧種を大切に思うガイドのボビーさんは、根本を踏んではいけない、木にさわってもダメ…と向こう側でがんばっているので、彼が入らないように写真を撮るのに一苦労。
 6日はコケエ州立公園に2種目の木本スミレを探しに。霧が発生しやすく温暖なため常緑樹がほとんど。尾根を1時間ほど下ったあたりで田金さんがこの付近にV.woilenaleme がありそうだと走りまわる。4年前にここにしかないスミレを探し当て、ガイドも知らなかったそこに私たちを案内してくれたのだ。
 雲霧林のジャングルをさらに下り、左に折れると湿地帯に出る。ここでハワイ唯一の草本スミレに出会った。途中では野生化したニワトリや色鮮やかな野鳥をたくさん見ることができた。

7日は島を右回りにハナカピアホールズへ。イソデンドゥリオン属ホサカエを探しに出かける。
 まさにスミレ探検隊にふさわしく、海岸の切り立った道を登ったり降りたり、沢を何度も渡ったり。でも、8時間の捜索にもかかわらず、ついに発見できず。まあ、こういうこともあるさ。
 翌8日、こうしてスミレ探検隊ツアーはハワイ諸島カウアイ島をあとにしたのである。

                 (更新日:2008年6月25日)
    
2008年5月24日発 モンゴル北部 猛禽類と草原の鳥の旅」  竹内 勲


5月24() 
成田発1330分のモンゴル航空でウランバートルへ直行。メンバーは、中国・近畿・中部・関東から集まったオールド・バードウォッチャー10名に、ツアーリーダー兼講師の日比さんの11名。約5時間のフライトをへてウランバートル空港に着いたのが、現地時間のほぼ6時(日本との時差は1時間)。意外と近い! さっそく車4台に分乗して、市街地から少し離れた自然・行楽ゾーンにあるヌフトホテルに向かう。街の感じは北海道の小都市に似ているようだが、山が違う。樹木が全くない!! ところがホテルの所在地だけは黒松に覆われた山林と岩山にはさまれた高原風のエリアで、ホテルの建物2棟と観光ゲルが10基ほどシラカバ林の中に点在していた。荷物を部屋に置いたあと、周辺を散策してみると、さっそく鳥がいる。


東アジアでは珍しいシロビタイジョウビタキ
  

カッコウ、カラ類、ヒタキ・ムシクイ類、セキレイ2種、カラス2種、アカモズ、カササギ、トビ、などなど。

マーモットやリスも走り回っている。20時を過ぎても日が沈まない。散策は1時間で切り上げて、食堂での乾杯で初日を締めくくった。


5月25() 
5時起床、7時出発。東門ゴル・ビンデル村を目指す 400キロ・10時間のツアーのスタートである。樹木のほとんどない砂漠状の丘陵・山岳が続き、その下に緑の絨毯とはお世辞にも言えない草原がどこまでも広がっている。その草原に羊、山羊、牛、馬の大小の群と、遊牧民の住居=ゲルや小集落が点在している。200キロ地点で舗装道から分かれ、あとは草原の中の轍の跡を探しながらのドライブとなった。集落や牧童に確認しながら、ようやくツーリストキャンプにたどり着いたのは午後6時過ぎ。移動距離があるため、食事やトイレ休憩以外はほとんどノンストップで移動したため、車窓からしか鳥が見られず、不満の声も。途中で見られた鳥の代表は、コウテンシ、ハシグロヒタキ、イナバヒタキ、サバクヒタキ、ニシヒバリ、そしてヒマラヤ越えで有名なアネハヅルといったところであった。今日からの3日間は、宿泊も食堂もゲルで、夜はストーブの火を絶やさないのが日課で、結構大変だった。そして素朴なモンゴル料理(ほとんどがシチュー風の肉料理)がなかなかおいしかった。

5月26() 
5時にキャンプを出発。途中で現地ガイドのハンター氏と合流して、ノガン観察のポイントに向かう。丘陵の下に広がる窪地状の草原のはるか向こうに10羽強のノガンの群を確認。雄が尾羽を広げて盛んにディスプレイをしている。しかし、どうしても距離が詰められない。適当なところで観察を打ち切って、近くの湖(かなり水が干上がっている)へ移動。20羽を越えるソリハシセイタカシギ、ツクシガモ、アカツクシガモ、サカツラガンをはじめかなり多くのガンカモ類がいる。そしてオオハクチョウと3種のツルも確認! 昼食にキャンプに戻り、食後に近隣の河川敷を散策後、再度、ノガンの草原に出発する。ところが直後に強風が吹きはじめ、あっという間に砂嵐に見舞われて、しばし立ち往生。砂のあとは雪が降り出し、そのうちに吹雪となって、道も確認できない状況となった。でも、ハンター氏の的確な指示でキャンプへUターン。夜はゲルのストーブに薪をたっぷり入れて吹雪の過ぎるのを待った。「モンゴル人は風のシャワーで育っています!」と大言していたガイド氏が、翌朝「風の音で寝つけなかった」と愚痴っていたのが面白かった。その後の情報によると、この吹雪で5060頭の牛馬と数多くの羊、そして一人が亡くなった由であった。モンゴルの自然と人・家畜などのバランスが意外にもろいことを実感した。

        
       やっと緑が出てきた草原が      
→   一夜明けると一面の雪景色

5月27() 
冬景色の中で朝を迎えた。雪道をたどりながら昨日のコースにリベンジして、かなりの収穫があったが、なんと言っても今日の圧巻は、キャンプに近い林で現れた5羽のクロライチョウ!! ディスプレイしながら尾根筋を何度も行き来するので、全員がカメラに納められたようだった。興奮さめやらぬうちにキャンプに帰り着き、さっそく乾杯の予定が、雪の影響で村の店が休みでビールが入手できず、空振り。儀式()は翌日に持ち越した。


     クロライチョウ


5月28() 
朝5時出発でウランバートルを目指す。帰路もアネハヅル、コウテンシ、ハシグロヒタキ、ハマヒバリ、ニシヒバリ、タカ類などをもっぱら車窓から眺めながら、6時過ぎにヌフトホテルに到着。そういえば、お昼に立ち寄った町の食堂のシチュー風のスープは本当においしかった。オードブル代わりにクロジョウビタキも現れて。(ただし確認は私のみだった) ヌフトホテルの周辺は、一昨日の雪がまだ残っていて、鳥が少ない。でも赤くないアカモズとマーモットが終始つきあってくれて幸いだった。そして久しぶりにビールも堪能できた。

5月29() 
7時出発で、ウランバートルから西南 100キロのホスタイ国立公園へ向かう。20キロくらいで舗装がなくなり、改修工事中の道路が延々と続く。これに交差・並行して、行き交う車がそれぞれつくった縦横の轍道が草原を走っている。悪路に加えてもうもうたるホコリが舞い立つ。モンゴルの生命線、大草原の行く末が心配になるのは杞憂だろうか… そうこうするうちにホスタイ国立公園到着。さっそくワシタカが多いという谷筋に出発し、イヌワシはじめ10種近いワシタカ類を確認した。それからさらに道を進め、森林限界と思われる尾根まで車で登り詰めて、再度鳥を探す。大収穫はセグロサバクヒタキ! 頭頂の白帽子と黒い翼が印象的だった。Uターンして昼食後、今度は遠くの河原に向かう。山から広大な平原に出て、まずはインドガンの群を発見! 近くにはキガシラセキレイ! そしてシベリアジュリンも! シギチドリ類も、


ソウゲンワシ               

日本でおなじみのオグロシギなどをはじめ数種を確認した。帰り道、「道が来たときと違うね」と声が出だしたころ、車は道のない谷筋に迷い込んでストップ。そこに突然現れたのは、なんとキャンプ場を経営する会社の社長。先導してもらい、2時間強遅れでキャンプ地帰還とあいなった。

5月30() 
8時出発。まず昨日ワシタカ類がたくさん出た樹林まで行くこととなった。が、風が止まり、鷲類が出てこない。それでもチゴハヤブサ、アカアシチョウゲンボウ、チョウゲンボウ、クロハゲワシなどが割と近くを飛んでくれる。少し離れて、ヤツガシラの「ポ、ポ、ポ」の声が聞こえる。丘陵の斜面から平地に下りると、ブッシュをかき分けて姿勢のいい鳥が2羽、頸を伸ばして歩いてくる。どう見てもシャコ類の顔をしている。上尾筒はうす茶色で、尾羽の裏は赤葡萄色! その場に居合わせなかった日比講師が、残念そうに「おそらくイワシャコ…」よほど見たかったようだ。近くの草原に立ち寄ったあと、ウランバートルに向かう。市内のデパートに寄り少し買物。突然の砂嵐の中、ホテル着は8時。

5月31() 
5時出発で空港へ。飛行機は6時発で成田着は12時。8日間のツアーが終了した。モンゴルは雨で、成田も雨。天気図を見ると同じ低気圧の影響のようだ。それにしても、いじましいほどの草原(時期の問題もあるが)を見続けてきた目から観ると、成田周辺の里山や田畑の緑が、本当にまぶしかった。

                                  (更新日:2008年11月10日)

  
2008年5月16日発 「カザフスタン・バードウォッチング」  長野時彦(講師)

砂漠あり、ステップあり、高山あり、湖沼ありと、カザフスタン東南部は限られた範囲の中にそれぞれ異なった環境があり、それぞれに特色のある鳥が棲んでいて、それゆえバラエティー豊かで、またモンゴルでもルーマニアでも見られない中央アジア特産の固有種もいる。朝焼けに染まる山並み、砂漠に沈む夕陽、昇る満月、残雪を頂く山々や高嶺に咲く色とりどりの可憐な花々など、とても印象的な旅でした。

2008年5月17日 
アルマティのホテル前の公園でツアー最初の早朝探鳥。クロウタドリやカバイロハッカ、ノドジロムシクイなど。朝食後、鳥ガイドのアナトリー・コブシャー博士と合流。簡単な打ち合わせのあと、早速アルマティ東のバルトガイ方面に向かう。プロフェッサーから、町の成り立ちなど詳しく聞きながら都心部を通り過ぎ郊外に出ると、ヒメオオモズやニシブッポウソウ、チャキンチョウが多い。ヨーロッパハチクイを見つけたので車を止めると、セグロサバクヒタキやイナバヒタキ、ニシコウライウグイス、山の端にはクロハゲワシも。


チャキンチョウ

バライロムクドリ

チリック付近の平原で昼食。無数のバライロムクドリが、右へ左へ果ては頭上までも飛び交い、かなたの丘にはイヌワシも舞っている。昼食後、コクペックの峠に中央アジア特産のハイガシラホオジロを探す。声はすれどもの状況下、やっと見つけたきれいな雄は、灰色と黒と茶色の配色も鮮やかなファンタスティックなホオジロ。他にズアオホオジロに似たイワバホオジロやニシオオノスリなど。チャリン渓谷の雄大な景色を楽しんだあと、今夜のお宿バルトガイ湖畔のキャンプに向かう。途中、電柱にソウゲンワシの成鳥や幼鳥、コキンメフクロウと思われる小型フクロウなど。キャンプ地周辺では、ムネアカヒワやアカツクシガモなども。(バルトガイ湖畔泊)

2008年5月18日 
快晴。朝日が湖畔の山並みを赤く染めていく。朝飯前の早探ではアカオモズ(phoenicuroides)。イナバヒタキがやたら多い。朝食もそこそこにサケイを見にキャンプを出発。鑽井から程近い場所で待つ。クロハラサケイ(左写真)入れ替わり立ち代り現れるも、お目当てのサケイは出ず。その間、綺麗なヒメハイイロチュウヒの♂が目の前を通り過ぎていく。それでも強風の中粘った甲斐あって、翼下面が白いサケイの飛翔は見ることができた。他にカンムリヒバリや、最近ヒメウタイムシクイから分離されたアラビアウタイムシクイなど。昼食場所ではシラガツリスガラが巣の製作中。上空をノスリ(Steppe Buzzard) が通過。近くの水場ではツメナガセキレイやウスイロショウドウツバメ、ニシイワツバメなど。アルマティへの帰路、アネハヅルやタカサゴモズ、ゴシキヒワ、アオカワラヒワなど。白銀のザイリスキー・アラタウの山並みが印象的でした。(アルマティ泊)

2008年5月19日 
ホテル前の例の公園で早探。チゴハヤブサのペアがカササギにちょっかいを出され、けたたましい声で鳴いている。今日はいよいよタウカム砂漠に向かう日だ。キルギス共和国の首都ビシュケクにつながる高速道路を西に進む。途中の休憩場所でワライバトやシラコバトなど。北に進路をとる。上空にワシタカ発見!シロエリハゲワシとクロハゲワシだ。トイレ休憩を兼ねて小さな池のそばに車を止める。きれいな♂のシマアジがいる。ヒメヨシゴイが飛び出してきた。カワセミがツィーと鳴いて葦の穂先に止まる。灌木にはムナフヒタキ。渡り途中の鳥たちにとってこの小さな池は、文字通り砂漠の中のオアシスだ。程なくタムガリの岩絵群前に到着。入り口にさびかけた看板が一枚立っているだけのいたって素朴なもので、これも世界遺産。あたりにはクビワコウテンシが盛んに囀り飛翔をおこなっている。昼食を済ませて中に入ってみる。チャキンチョウがやたら多い。岩かべのくぼみにヒガシイワゴジュウカラの巣があった。コシアカツバメのように土で作られた巣穴から、巣立ち前の若鳥だろうか、時折顔をのぞかせている。ほかにハシグロナキマシコ、バフマユと思われるムシクイ類、クロエリコウテンシなど。再び北へ向けて出発。南アフリカのカルーに似た広大な乾燥ステップを突き進む。しばらく走ってコンシェンゲルに到着。村はずれの旧バス停近くの水場には、すでにベルギー隊が大砲を並べて陣取っている。若手の鳥ガイドがプロフェッサーを表敬訪問。さすがカザフスタン鳥界の重鎮。我々は隣接する防風林に鳥を探す。タカサゴダカ、アカマシコ、オタテヤブコマドリなど。砂漠に沈む夕陽が綺麗だった。(コンシェンゲル泊)


カオジロオタテガモ

ノウメンスズメ

2008年5月20日
早探でサバクフサエリショウノガンを探す。このあたりはコヒバリが多い。近くの水場ではクロハラサケイのほか、文字通り腹の白いシロハラサケイを見た人も。ほかにオオメダイチドリやオジロトウネン。今日はタウカム砂漠の北にあるイリ川の三角洲を目指す。途中故障車が立ち往生しており、砂漠の中で見捨てていくわけにも行かず、牽引してやることに。布切れをねじっただけの仮ロープなので何度も切れる。この情けが功を奏したのか、近くの池に期待してなかったカオジロオタテガモのペア。ブルーの嘴に頭のてっぺんの方に付いた眼など、ひょうきんな顔つきの珍しいカモだ。尾を立ててディスプレイしている。続いてバス停に営巣するきれいなノウメンスズメの♂もゲット。デュランガ(ポプラ)の林の中で昼食。ここでもお目当てのハジロアカゲラ、ボハラシジュウカラを難なくゲットし、警戒心の強いヒガシヒメモリバトも。帰路、トパールの湖沼でメジロガモやアカハシハジロ、セイタカシギ、ハジロクロハラアジサシなど。ルリガラの出る水辺の林に立ち寄る。梢にはチゴハヤブサが止まっている。ほどなく皆の目の前にルリガラが。日本の鳥屋さんがルリガラ、ルリガラと憧れるのもむべなるかなと思わせるほどの、水色の可愛い小鳥である。きょうはお目当ての鳥が100%ゲットできた。夕方、村はずれのいつもの水場へ。林の中にタカサゴダカ! ほかにバフマユムシクイやコノドジロムシクイなど。(コンシェンゲル泊)


コノドジロムシクイ

バフマユムシクイ

2008年5月21日
今日はタウカム砂漠を離れ、一転天山山脈の一角にある天文台に向かう。キャンプ近くの水場にオオモズ、ヤツガシラなどを見てコンシェンゲルをあとにする。途中、鳥屋さんの間でWondering Tree(不思議の木)と呼ばれるポイントに立ち寄る。セアカモズのほか各種ムシクイ類の中にシベリアヨシキリ?と思われる個体もいたが、残念ながら確信が持てない。しばらく走ってソルビュラック湖に到着。バライロムクドリが湖岸の小岩や木立に群がっている。ニシハイイロペリカンが飛び立っていく。キアシセグロカモメやアカツクシガモの親子なども。生活排水流入のためか、においがきついので少し離れた場所で昼食後、アルマティ市内を通り過ぎ大アルマアタ渓谷の入り口へ。ここで四輪駆動車2台に乗り換えて標高2700mほどの所にある天文台を目指す。途中、カワガラスやオオルリチョウ、ヤドリギツグミなど。(天文台泊)

2008年5月22日
朝食前の早探。ムナグロノゴマ(左)がビャクシンの木のてっぺんで囀っている。ヒゴロモマシコもペアで。ピンクや黄色、紫など色とりどりの可憐な花々がそこここに咲いており、足の踏み場に困るくらいだ。ヒマラヤセッケイの声がする方向にプロミナを合わせると、雪渓をバックに歩いているやつを発見。鳴いたり飛んだりする姿を合計5羽も見ることができた。朝食後トキハシゲリを見に大アルマアタ湖へ。ポイントへ向かう道すがら、ヤドリギツグミやヨーロッパビンズイ、ハジロクロシメなど。青灰色の頭に黒い上面、翼の白帯がシックな色合いのズアオジョウビタキも。やっと見つけたトキハシゲリは、コーラルピンクの下に曲がった嘴、パールグレーの胸と白い腹を分ける黒い帯など、珍鳥の風格を十分に漂わせている。ほかにムナジロカワガラスやベニビタイセリンなど。1号車のドライバー(通称、プーチン氏)は、ぼくらがまだ見ていないセアカジョウビタキを、ちゃっかり至近距離でデジカメに収めていた。昼食後、標高3300mほどの所にある宇宙線観測所跡(コスモスタンツァ)に向かう。当初ガスがかかっていたが、きれいに晴れてくれる。ベニハシガラスやタヒバリなど。セッケイの声がする山頂にプロミナを当てると、この種の鳥としては至近距離の位置に。胸の模様、足の色、目ん玉まではっきり見える。お目当てのシロガシラジョウビタキもペアで見られ、皆大満足の様子だった。ほかにハイイロマシコなど。(天文台泊)


シロガシラジョウビタキ

ズアオジョウビタキ

2008年5月23日
早探でノドグロイワヒバリや赤いアカマシコ、ハジロクロシメのペアなどをゲット。遅い朝食の最中、プーチン氏が「ヒゲワシが飛んでるよ」と知らせに来てくれる。成鳥と思われ、黄土色の体と楔形の尾羽の格好など、プロミナで楽しませてくれた。朝食後再度コスモスタンツァへ。山腹にキバシガラスが群れている。なかなか見つからなかったウスヤマヒバリをやっとのことで発見。淡い色合いのシックな鳥で「中国の鳥」のそれよりずっと品がある。ほかにハシグロヒタキなど。昼食後は見残したセアカジョウビタキを探すも、ミナミコガラの声を聞くにとどまり、山を降りることにする。途中、ズアオジョウビタキのペアが現れ、今回の旅の最後を飾ってくれた。

写真はいずれも伊東誠さんの撮影です.
                                     (更新日:2008年6月25日)

花の観察会 ツアー報告

★2008年の「花の観察会」で撮影した写真とツアー後のアンケートから抜粋した参加者の声です。お楽しみください。

3月3日出発 秩父のセツブンソウとフクジュソウ

撮影:橋場みき子(ツアーリーダー)

<参加者の声>
・早春の花は盛りを見るけるのが難しく、場所もよくわからなかったので、申し込みました。開花が遅れて満開のセツブンソウを撮影できなかったことは残念ですが、咲き始めの初々しいセツブンソウを写真におさめることができたと思っています。(初参加の50代男性)
・少し登りましたが、自然の中で群生している福寿草が春の息吹を力強く感じさせてくれ、印象的でした。また雪をかきわけて見られたザゼンソウの群生も初めてで珍しかった。(60代女性)

3月4日出発 西表島のヤエヤマスミレとセイシカ

撮影:橋修(ツアーリーダー)


★2007年の「花の観察会」で撮影した写真です。お楽しみください。

3月 新潟のミスミソウと春の花[観察中心の旅]

         
4月 小笠原のオガサワラツツジ、オガサワラクチナシ

         
4月 箱根のトウカイスミレ

                   
5月 戸隠山麓の春、リュウキンカ、ニリンソウ

         
5月 信州スミレ三昧


5月 神津島のオオシマツツジ


5月 新緑の蔦温泉とオキナグサ


5月 根室の遅い春 サカイツツジとユキワリコザクラ


6月 南郷村のヒメサユリと駒止湿原


6月 西表島のサガリバナとウミショウブ



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 営業時間:平日9:15〜17:15
 (土・日・祝定休)
































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